大豆島長野東高校南

長野市大豆島は犀川 千曲川水系の2種類

20/03/01 長野市大豆島の井戸は場所によって犀川水系と千曲川水系に分かれます。五輪大橋から市役所支所付近は犀川の影響を受けます。 4m位で水脈に当たりますが、玉石が大きく(200~600mm)掘削は非常に時間がかかります。6m~7mで豊富な地下水が得られます。一方長野東高校付近は千曲川水系と推測 されます。綿半ホームエイドの近くに船場の石碑が残ってることから 昔はここらから須坂ICの方向に千曲川が流れていたようです。前出の大豆島の犀川に近いエリヤは 川合新田の掘削で述べたものと一緒ですので 長野東高校の付近の井戸掘削について述べます。
3mも掘削すれば砂が出始めます。山砂の色合いが強くここでは常時地下水があることは無いと思われます。4mで砂はグレーに変わり水脈に達します。周りにいくつかの 突き井戸が有りますが、これらは4mのガス管を打ち込んだものです。5m地点で水量を測ってみると毎分30リットル前後でした。安定的にさらに多くの地下水を得るには 8m位まで掘り下げる必要が有ります。4m付近からはおそらく30~60mmの玉石が混ざり打ち込み井戸の限界になります。ボーリングにおいて大きな玉石は安定して抜くことが できますが、ここの小さな玉石はボーリングマシンを跳ね上げ 1mの掘削でコアチューブのメタルクラウンのチップを飛ばしてしまいます。1m掘ってはコアチューブを 引き上げメタルクラウンを引き揚げ交換しなくてはなりません。またケーシングの挿入は大量の砂があるので ベントナイトを濃い目につくり掘削坑を維持していきます。
ここから先はちょっと専門的になるの参考までに記述します。66のコアチューブに86のケーシングを被せていくと 4m付近から米粒位の洗い砂が出ます。これらはケーシングとコアチューブの 間に入り込みコアチューブとケーシングを一体化してしまいます。この時点で全て抜き上げ砂を取り除かなくてはなりません。現地で取り除くのは不可能です。高圧洗浄機を 当てて砂を取り除きます。この結果から次の掘削からは55のコアチューブを用いてケーシングとの隙間を増やし砂の詰まりを防ぎます。55のコアチューブはマシンのセカンド を使い回転を上げ少し圧を加え掘削します。ここで問題になるのは4m付近の小さな玉石にコアチューブが当たるとコアチューブはケーシングの中心で回転できず斜めに 入っていきます。このときにケーシングのチップにコアチューブが接触して コアチューブはらせん状に深く削られてしまいます。このまま掘り進むとコアチューブは折れる 事になります。ケーシングが6mになった時点で55のコアチューブは廃棄処分です。5mから下は再び66のコアチューブに戻します。泥水を循環すると粗い砂が挟まるので 無水掘りします。今回は1500のコアチューブを用いて1m無水掘りしてケーシングを1m入れる方法を用いました。コアチューブは1mごとに抜き上げ中のスライムを取りだします。 この方法で8mまで掘削します。8m地点で豊富な水が得られれば完成です。掘削時期が2月の渇水期なので1年を通して安定的に水は得られるはずです。